この単語は熱心な愛鳥家の方なら1度は目にした事のある言葉だと思います。
お家に来てすぐに調子をくずしちゃったとか、
はじめは調子よかったのにだんだん食が細くなり、元気もなくなり
気がついたときには命まで…
個人的に大半はこの病気であろうと疑っています。
Megabacteria

その名の通り「でっかいバクテリア(細菌)」
であればよいのですが、そうではありません。
つまり、いわゆる「抗生物質」はまったくもって効かないのです。
このメガバクテリアは
近年、やっと酵母の一種(Macrorhabdus ornithogaster)であることが同定されました。
※この鳥さんは別の疾患で来院した子であり、初診時に検便では確認できませんでした。2日後の再診で発見できました。(飼い主様の承諾のもと写真の掲載を行っております)
感染部位は「胃」で、重度の胃炎や胃拡張が起こります。
感染はおもに母親からの愛情によっておこります。
といっても吐き戻した食事の中にこの病原体が含まれていることが原因ですが…
セキセイインコによく認められます。
それ以外にも日本でたくさん飼育されているコザクラインコ、ボタンインコ、オカメインコ、文鳥(ブンチョウ)など多くの鳥にみられます。
この病気は「検便」「そのう液検査」で確認できるため、
「うちのこを病院に連れて行くのは心配…」とか
「鳥は病院に連れて行くと、触ったとたんに死んじゃうって聞いたことあるから…」(もちろんそんなことはありませんが)
と心配されている方でも、鳥さんにまったくストレスを与えずに検査できることから
動物病院へ向かうことをためらっている方でも安心して受診できます。
検便だけでも受け付けてくれる病院だってあるはずです。
この真菌は多くの薬剤に対して耐性を持っております。
いわゆる「薬剤耐性菌」のひとつです。
したがって的確な治療でなければ、意味がありません。
治療法に関しては動物病院の指示に従ってください。
ただ…
「犬・猫・小動物・小鳥」と掲げている動物病院であっても、
この病気についてご存知の先生が少ないことはまぎれもない事実です。
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