2008年11月07日

モルモットの妊娠中毒症

今回はモルモットの飼い主様にぜひ知っていただきたい病気を紹介いたします。

それは産褥期疾患です。出産・分娩前後に起こる病気についてです。

モルモットは難産が多いこと、妊娠中毒が多いことを十分認識してもらいたいのです。

ご存知の通りモルモットの妊娠期間は他のげっ歯目と比較し、妊娠期間が長く

59-72日(平均68日)、出生時は完全に毛が生えそろい、眼は開いています。

生まれてくるときにはある程度大きくなっているという認識を持ってください。

モルモット妊娠.JPG
出産2週間前のレントゲン写真

分娩時に骨盤の拡張程度や胎子の大きさ、肥満などいくつかの要因により難産が発生します。

※モルモットは6-9ヶ月齢で恥骨結合の癒合がおこるため、妊娠・出産を希望されるようでしたら、

それまでに済ませることをお勧めします。



次に、妊娠中毒症についてです。

妊娠中毒は太り気味の子で妊娠後期あるいは分娩後1週間にもっとも頻繁に発症します。

食欲不振や水を飲まないなど誰もが出産後当然と思われる症状からやってきます。

数日以内に、早ければ24時間以内に横たわり、呼吸状態の変化が現れます。

このような状態になってしまった場合必ずといっていいほど2、3日でお別れがやってきます。

とにかく緊急疾患なのです。一刻も早い治療が必要です。


他の動物さんでもお伝えしましたが、少し様子を見てから…ではなく、

まずモルモットを診療している動物病院に受診し、診察を受けてください。

それからでも様子を見ることは可能です。

まずは費用の心配要りません。

なぜなら検査・治療内容などは飼い主様の選択にご選択いただくからです。


ところで、体の中で何が起こっているかというと…

出産前後お母さんには莫大なエネルギーが必要なのですが、十分なカロリーが食事から摂取できず、

体に蓄積した脂肪の分解によりエネルギーを得ようと体が反応します。

分解した脂肪はそのままエネルギーとすることができず、肝臓でブドウ糖に作り変えられるのですが、

モルモットさんやウサギさんなどの完全草食性の動物では

脂肪分解による血糖値のコントロールがうまくいかず、

一気に脂肪を溶かし、その脂肪が一気に肝臓に流れ込むことにより体を守るための反応が

逆に「脂肪肝」を作り出してしまいます。

モルモット乳び.JPG

正常な血清は無色透明なのですが、大量の脂肪によりミルクのように白濁しています。

モルモット食滞.JPG
食欲廃絶による食滞

とにかくモルモットさんの妊娠・出産は危険を伴いますので、十分な監視・管理をお願いします。


posted by 鈴木慎一 at 11:18| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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