2008年11月20日

ウサギの膀胱結石

「赤色尿=血尿」、「白く濁った尿=膿尿」

多くの方はそう考えるのではないでしょうか?


ところがウサギさんは正常でも「赤色尿」や「白濁した尿」排泄することがあります。

ウサギの泌尿器の生理機能は通常の哺乳動物と比較して大変特異的で、

食物中の色素やカルシウムの多くを腎臓から排泄しています。

したがって生理的に「赤い尿」や「白く濁った尿」を排泄することがあるのです。

ウサギの飼い主様の中にはこのような特徴的な「ウサギの生理学」をご存知で

「血尿」をしても、「正常な色素尿」と勘違いし、症状を訴えていても病気を見過ごしてしまうことがあります。


今回は「血尿」を示す病気のうち「膀胱結石」をご紹介いたします。

このウサギさんは2歳の女の子です。市販のペレット、牧草、野菜、果物、ドライフルーツを食べている

ごくごく普通の生活をしていました。

主訴(来院した理由)は「赤色尿」、問診で「頻尿」という症状もありました。

レントゲン写真を御覧ください。

膀胱結石Late.JPG

下腹部に鶉卵大の白いレントゲン不透過性物質がお分かりでしょうか?

これが膀胱結石です。卵は産みませんので決して卵ではありません。

人や犬、猫などでは一部の膀胱結石を結石溶解用食(食餌療法)で治療することが可能ですが、

ウサギの結石は通常「炭酸カルシウム結石」のため内科的な治療が不可能です。

したがって手術による摘出が唯一の治療となります。

結石摘出.JPG

結石.JPG

手術により摘出した膀胱内の結石

もちろん今までの食生活を続けていては病気を繰り返すため、カルシウムを制限した食事による維持が必要です。


“要注意“

「血尿」で来院するウサギさんの何割かは「泌尿器疾患」ではなく「雌性生殖器疾患」

すなわち「子宮腺癌」のことがあります。

「赤色尿」が「色素尿」なのか「血尿」なのかは「尿検査」で簡単に鑑別可能です。

いずれにしても「赤色尿」を排泄したら、まずは「尿検査」だけでもお勧めします。


posted by 鈴木慎一 at 16:08| 静岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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