2008年12月23日

ウサギの避妊手術

このブログをはじめて間もないころに、ウサギさんは高い確率で子宮のガンにかかるというお話をしました。

今回は避妊手術の概要を簡単にご説明します。


@手術前の健康チェック
 少しでも体調に不安があるときは手術を見合わせます。

 麻酔のリスクを判断する上で血液検査を行うこともあります。

A術前の処置
 血管確保・鎮痛剤・抗生剤などの投与

B全身麻酔の導入

ウサギ麻酔導入.JPG

 個々の動物に合わせた鎮静剤の投与を行ったうえで、ガス麻酔による導入に続き、気道確保(気管内挿管)を行います。

 手術中は安全性を確保するため心電図、呼吸数、呼気中麻酔濃度・二酸化炭素濃度、血圧、酸素飽和度などをモニターします。 

C術野(手術部位)の毛刈りと消毒
 可能な限りのきれいな手術を行います。

D手術開始
 皮膚を数cm切開し、卵巣と子宮を摘出します。
 手術時間は10〜15分程度です。

E麻酔からの覚醒
 手術後の食欲不振を防ぐため、すぐにごはんを食べさせます。
 
 食欲や様子確認のため一晩の入院をお勧めしております。入院が不安な方は日帰りもできます。

手術直後.JPG
覚醒後5分以内の様子
 
手術を受けたことなどまったく感じないかのごとく、通常麻酔から覚めた直後から食事をとってくれます。

「ウサギは痛みに弱い」とか「ウサギは手術すると死んじゃう」

とか言った迷信が、なぜ生まれたのかが不思議なくらいです。


いったい誰がそんなことを言い始めたのでしょうか?

もちろん少しでも痛みがないようにお薬で十分に管理しておりますが。


全身麻酔を恐れるあまり、手術を敬遠される方が大変多くいらっしゃいますが若くて健康なうちに行えばより安全に手術を受けることができます。

もちろんお年をとってからの避妊手術でもけっしてリスクが高いというわけではありません。


posted by 鈴木慎一 at 17:24| 静岡 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先日はうさ子(ロップイヤー黒)の避妊手術をしていただきありがとうございました。2歳近くになって少し太っているので、手術できるか心配でしたが無事に終わりとてもありがたかったです。今は食欲もわき、前と同じようにたくさん食べてくれています。これからは太り過ぎに注意していきたいです。これからも宜しくお願いいたします。
Posted by 伊藤 at 2009年06月26日 18:48
伊藤様
わざわざコメントありがとうございます。
すべてのウサギさんが避妊手術を実施され、健康で長生きできることを祈っています。手術に対する不安はどんな飼い主様も一緒です。
それを少しでも解消できるような医療をこれからも続けて生きたいと考えております。
Posted by ハミング動物病院 at 2009年06月27日 22:21
避妊手術で使用される麻酔の種類と、縫合する糸がどの
ようなものか教えていただけますでしょうか。

また、抜糸する必要があるかどうかという事も教えて
いただければ幸いです。
宜しくお願い致します。
Posted by こゆき at 2010年04月03日 13:08
麻酔は個々のウサギさんによって最善なものを使用しています。
したがって一概にこれを使いますとうわけではありません。

が…私の好きなウサギさんに対する麻酔は前処置にミダゾラム、ブトルファノールおよびケタミンを使用し、導入・維持にはイソフルランを使用するものです。

縫合糸については血管結紮、腹筋および皮下縫合にはPDSUを使用しています。
皮膚は抜糸が可能な環境であればナイロンを使用しています。
Posted by ハミング動物病院 at 2010年04月03日 20:31
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