2009年01月13日

セキセイインコの腹壁ヘルニア

これまでに小鳥、特にセキセイインコの生殖器疾患について何回かお話しました。


今回はセキセイインコの生殖器疾患にまつわる手術についてお話したいと思います。

この子は3歳女の子のセキセイインコちゃんです。

「卵づまり」(以下、卵塞)で来院しました。

今回を含め2回目の産卵ということでしたが、はじめての産卵も卵塞で処置を受けたようです。

持続発情蝋膜.JPGセキセイ腹壁ヘルニア.JPG

ところが今回は卵塞に加え、持続発情からくると思われる蝋膜(ロウ膜)の褐色化が認められ、

さらにはお腹の筋肉は弛緩し、皮膚はキサントーマ化、さらには腹壁ヘルニアを起こしていました。

※ヘルニアとは臓器が本来の解剖学的位置から逸脱した状態をよびます。

セキセイインコ腹壁ヘルニアX線検査.JPGセキセイインコ消化管造影.JPG

レントゲン検査では若干ではありますが多骨性過骨症(PH)が認められます。

※通常は長骨は皮質骨と海綿骨で形成されるため、レントゲン検査では骨の周囲が白く、真ん中は黒く写ります。

ヘルニアの治療は外科手術です。

この子は幸い腸管ではなく、腫大した卵管のみの脱出でした。

卵管を摘出し、ヘルニア嚢と伸びきった皮膚を形成し手術を終えました。

卵管摘出.JPG
摘出した卵管

今はとっても元気にしています。


ところでなぜ初回から卵塞を起こしてしまったのでしょうか?

おそらく飼育環境に問題があると思われます。

ケージには鏡付きのブランコに鈴が2個、手乗りである上に、

食事は皮付き餌とたまの野菜のみで、ボレー粉、カトルボーンなどのカルシウム補給、サプリメントの使用はなかったようです。

日光浴もありませんでした。

きっと慢性的な低カルシウム血症を起こしていたのでしょう。

これからはペレットを使用していただけるようです。


posted by 鈴木慎一 at 19:46| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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