2012年02月14日

炭酸ガスレーザーの脅威

酸ガスレーザの威力をお示ししたいと思います。

まずはこの手術後の写真をご覧ください。

ハムスター体表巨大腫瘍.jpg

右はハムちゃんの体の1/2もある腫瘍の塊です。

この手術は麻酔導入から手術終了まで10分程度でした。

しかも1滴の出血もなく!!麻酔から覚めた後すぐに食事もとりました。


以前ならこれほどの大きさの腫瘍は手術をためらっていたかもしれません。

手術に相当な時間を費やしていたかもしれません。

あるいはある程度の出血があり手術後の回復に時間がかかっていたかもしれません。

ちなみに手術後の体重は50グラムから30グラム減りました。

つまり、、、なんと20グラムの巨大なできものだったんです。


レーザーメスの脅威を感じました。

これから先出会うであろう多くの困難な症例も

十分に立ち向かうことのできるツールを手に入れたと実感した症例です。




posted by 鈴木慎一 at 10:53| 静岡 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月02日

ケヅメリクガメの膀胱結石

リクガメさんの膀胱結石についてです。

膀胱結石はリクガメに多いのはご存知でしょうか?

写真の右真ん中くらいになんとなく白く見えるのが結石です。

ケヅメリクガメ膀胱結石.jpg

カメさんの結石は尿酸で、犬や猫で多くみられる

ストラバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム結石)や

シュウ酸カルシウム結石ではありません。


その原因は色々とありますが、ほとんどの場合は水分摂取の不足です。

水を飲ませていないということではなく。

生活環境を乾燥させてしまったり、湿度計を設置しておらず

乾燥していることに気づかなかったりです。

もちろんペレットフード(ドライフード)の多給、常食としていたりで

タンパク質の過剰摂取が原因のこともあります。


カメにも手術ができるんですか?

と驚きを隠せない方も多くいると思いますので、ちょっとだけですが写真をお見せいたします。

甲羅は骨ですので、骨用の電動のこぎりで切ります。

リクガメ開腹1.jpg

リクガメ開腹2.jpg

甲羅ももちろん元に戻します。

最近は田向先生(田園調布動物病院)式でパテで簡単に止めるだけですが・・・

治りが早いのを実感しています。

手術中は他の動物と同じように、心電図などをチェックして問題がないかを常に監視しています。

30分もすれば麻酔から覚めて、動き出します。

尿酸結石.jpg

こちらが取りだした結石です。1メモリが1pです。いかに大きいかお分かりでしょうか?
posted by 鈴木慎一 at 13:48| 静岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月05日

ブンチョウの心疾患

ブンチョウ心臓病.jpgブンチョウ心臓病 (2).jpg

おうちの文鳥さんはこんな色をしていませんか?

くちばしの色、アイライン、そして脚の色が肌色ですね。

本来は鮮やかな赤色になっていなければならないはずです。

以前もブログに貧血の鳥さんを載せたことがありますが、

見た目はほとんど変わりません。

実際この白文鳥さんは血液検査で軽度の貧血はありましたが、

ここまで退色するほどではありませんでした。

身体検査(聴診など)、レントゲン検査などにより

甲状腺機能低下症(甲状腺腫)および心疾患と診断しました。

甲状腺ホルモンおよび強心薬によりきれいな赤色に無事もどりました。


ただ、この病気はお薬で治る(完治)わけではなく、

長期(生涯)にわたり投薬が必要になることが多いため、

途中で治療を中止したり、調子が良いからとお薬を使用しないでいると

突然死することがありますので十分な注意が必要です。






posted by 鈴木慎一 at 15:54| 静岡 ☔| Comment(3) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月28日

リクガメの麻酔

ながらく更新できずにいました。いつもお読みになっていただいていた方にはたいへん申し訳ございませんでした。

今回はカメの麻酔について簡単に説明します。

カメ気道確保.jpg

カメの麻酔も基本的には犬や猫と変わりません。

すなわち 前処置→導入→気管内挿管→維持(手術・処置)→覚醒 です。

ただ変温動物(環境温によって体温が大きく左右される)のため、体温調節には十分注意が必要です。

また哺乳動物に比べ注射後の反応が緩やかなため、

薬剤はあるいは投与経路によって導入時の不動化までかなりの時間を要します。

当院ではそれらを回避するため、カメさんの場合導入時にプロポフォールの骨髄投与を行うことによって

静脈内投与しか出来ない薬剤を使用し、安全かつ速やかな麻酔を行っております。

カメ骨髄確保.jpg

最も注意しなければならないことは、カメさんは長時間呼吸を止めることが出来るため、

人工呼吸により吸入麻酔をコントロールしなければ、手術中に麻酔からさめてしまったり、

無事手術が終わっても麻酔からさめてこないことがあることです。


※当然のことながら手術に際しては鎮痛薬(痛み止め)も使用しています。
posted by 鈴木慎一 at 11:39| 静岡 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月16日

モルモットの食欲不振

ウサギさんの不正咬合は皆さんご存知だと思いますが、

モルモットさんにも同じような病気があります。

モルモット臼歯過長.jpg

奥歯が伸びているのがわかりますか?

このモルちゃんは1ヶ月近く前から徐々に食欲がなくなり始め、

ここ一週間はほとんど食べないとのことでした。

血液検査とレントゲン検査も行いましたが、お口のトラブル以外は特に大きな問題はありませんでした。

のび過ぎた歯をトリミングし、おうちでケアしてもらったところ

食欲の改善が見られ体重減少もとまりました。


犬猫そしてどんな動物も同じですが、食欲不振のときは必ずお口の中をチェックしてもらいましょう。

ウサギやモルモット、たとえプレーリードッグさんといえども麻酔なしでお口の中は確認できます。

もちろん奥歯のトリミングも麻酔なしで出来ることが大半です。
posted by 鈴木慎一 at 19:26| 静岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月06日

フェレットの直腸脱

お久しぶりです。

このところ重症な子の入院が続きブログが更新できませんでした。

今回はフェレットの直超脱をご紹介いたします。」

フェレット直腸脱.jpg

このこはまだ1歳の子でしたが、家に来てまもなくから直腸が反転して出てきてしまったようです。

はじめのうちは中に戻してあげると治っていたということでしたが、

次第に治まりがきかず、トイレでないところで排泄をしてしまうようになったそうです。

このような場合他の動物でも同様ですが、多くの場合慢性の大腸炎が原因していることがあります。

したがって内科的に(飲み薬)治療を試みたのですが、

反応はするものの期待するほどではありませんでした。

飼い主様のご了解が得られましたので手術を行うことと致しました。

フェレット直腸脱術後.jpg

これは術後の写真です。

いまは糸も取れすっかりきれいなおしりになりました。
posted by 鈴木慎一 at 19:49| 静岡 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月15日

フェレットの毛球症

フェレットさんの毛球症についてです。

フェレットにも毛球症がおこることはご存知でしたか?


嘔吐食欲不振というのがほとんどの症状です。

胃内毛球症と診断されずに対症療法のみで治療をされ続けた場合は、

体重減少、さらにはなくなってしまう可能性さえあります。

こちらのレントゲンをご覧ください。

フェレット毛球症.jpgフェレットBa経過.jpgフェレット毛球症Ba検査.jpg

単純撮影では通常異常はありませんが、バリウム造影検査にて3点異常を検出することが可能です。

1つは胃からのバリウムの排泄が非常に遅いこと

2つ目は胃の幽門部(胃から十二指腸への出口)にバリウム欠損像が認められること

3つ目はバリウムの付着した毛球が検出されること。

最後の写真に毛玉がはっきりと見えると思います。


ウサギの胃内毛球とは異なり、手術あるいは内視鏡による摘出が必要です。
posted by 鈴木慎一 at 16:29| 静岡 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月09日

食用油に落ちたブンチョウ

油汚染.jpg

放鳥中に誤ってなべの油の中に落ちてしまったようです。

いつもはキッチンへの扉を閉めていたようですが、この日に限って忘れてしまったようです。

火はついておらず、冷たい油だったので不幸中の幸いでした。

このように油が羽毛に付着すると、空気の層を作れずあっという間に

体温が奪われて弱ってしまいます。

特殊な洗剤と専用のシャンプーで何度も洗いました。

羽毛も元の状態になり元気に帰っていきました。


いつものことだから・・・とちょっとした不注意で

大きな事故に見舞われる可能性があることは動物も同じです。



何事も確認が必要ですね。
posted by 鈴木慎一 at 17:41| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月15日

角膜潰瘍

前回はウサギの涙についてご紹介しましたが、

今回は本当に目ヤニが出る病気についてご紹介します。

うさぎ角膜潰瘍.jpg

このうさぎさんは「黒目が白い」ということで来院しました。

角膜の傷を調べる「フルオレセイン染色」を行っている写真です。

角膜に傷がると黄色(緑色)に染まります。

結膜は充血し、虹彩の充血が見られました。

比較的深い傷でしたが、幸い細菌感染はなく目薬も嫌がらず差させてくれるようで順調に回復しています。
posted by 鈴木慎一 at 18:49| 静岡 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月09日

ウサギの目ヤニ

流涙.jpg

目ヤニが気になります。何か眼の病気でしょうか?

この症状で困っているウサギさんけっこういるのではないでしょうか?

ところで本当に目ヤニなのでしょうか?

わんちゃんやねこちゃんで「兎眼」といわれる症状があるように、

ウサギさんは正常で眼が比較的飛び出ている動物です。

したがって眼の病気が多いのは確かですが
、飼い主さんが思っている目ヤニ

実は正常な涙の場合がほとんどです。

ウサギさんの涙は脂の成分が多く正常でもドロッとしています。

確かに「メヤニ=眼脂」とは書きますが…


われわれヒト、わんちゃんでは「ドライアイ」、そのままですが涙が少なく眼が乾く、

あるは「乾性角結膜炎」という病気で悩んでる方が多いと思いますが、

うさぎさんは目が飛び出ているにもかかわらず、脂のおかげで「ドライアイ」がないのです。


では涙がなぜあふれているウサギさんがおおいのでしょうか?

それは歯が原因となっていることがあります。

ではこのレントゲンをご覧ください。

頭部(R).jpg

涙は常に涙腺で作られ、角膜を保護し、やがては鼻涙管をとおり鼻へ抜けていきます。

歯の根元の病気によりこの「鼻涙管」が圧迫され、管が細くなることにより

涙が鼻へと抜けにくくなるために起こります。
posted by 鈴木慎一 at 10:46| 静岡 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月02日

気づいてあげてください  鳥の貧血

セキセイインコ貧血.jpg

このセキセイインコさん重度の貧血を起こしています。

鳥の飼い主さん、すぐにわかりますか?


鳥さんはくちばしの色、脚の色を見ればある程度の貧血を起こしていればわかります。

明らかに「白い」ですね。普通はピンク色をしていると思います。


鳥を熱心に診療している獣医師は次のような先生が多いです。

1.待合室での鳥さんの様子を見ている(しゃべっているか聞いている)

2.飼育環境(食事、日照時間、放鳥時間、ケージの環境など)を十分に聞く

3.いきなり保定(手に取る)することなく、じーっと眺める

4.時に触ることなく診察を終える(もちろん触らない十分な理由を説明してくれるはず)。

といったところです。

※「糞便検査・そのう液検査をしてくれる」とうのはあまり重要ではないかもしれません。

検査をしていても「メガバクテリア」すら診断されずに当院を受診するケースが非常に多いです。

熱心な愛鳥家であれば誰でも知っているはずのこの病気ですが、

ほとんどの獣医師が名前すら聞いたことがないのが現状です。



この鳥さんも病院で「検便・そのう液検査に異常ありません。様子を見てください」

と言われていたようです。


診断は「メガバクテリア症による胃出血、重度貧血」

残念ながらまもなく亡くなってしまいました。


posted by 鈴木慎一 at 12:17| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月21日

ウサギの肺水腫

今回も胸部の病気についてですが、今回はわんちゃんではなくウサギさんです。

ウサギ肺水腫.jpg

肺水腫という状態です。

黒く写るはずの肺が白くなっており、心臓の形がはっきりと見えていません。

「肺水腫」とはハムちゃんでもご説明したように本来空気が入るはずの肺胞に水様物がたまっている状態です。

すなわち酸素がうまく取り込めず、苦しい状態です。持続すると突然死を起こす可能性があります。

このウサギさんは心臓が原因で肺水腫を起こしています。

来院時は問診で5歳の未避妊の女の子ということと、子宮にしこりがあったことから

子宮腺癌の肺転移と思いましたが、レントゲン検査と心臓の超音波検査で、

心臓の病気であることが判明しました。


心臓病がうまくコントロールできたところで、避妊手術をと考えております。
posted by 鈴木慎一 at 15:49| 静岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月29日

ゴールデンハムスターの心臓病

ハムスターの高齢期疾患としてよく遭遇する病気をご紹介いたします。

ハムスターの高齢期に多い病気には体表の腫瘍心臓病子宮疾患(子宮蓄膿症)などが挙げられます。

今回はこれらのうち心臓病についてです。

心臓病といっても僕自身が最も経験しているのは「拡張型心筋症」です。

心臓は血液を肺や全身の隅々まで送るポンプの役目を果たしていますが、

「拡張型心筋症」では心臓が大きくなり、本来の力を十分に発揮できない状態、

すなわち血液がうまく全身に送れない状態にあります。

その結果血液は末梢でうっ滞し、浮腫を起こしてしまいます。

肺で鬱血を起こせば、「肺水腫」という状態になり、血液のガス交換(二酸化炭素を排泄し、酸素を取り込む)が難しくなります。

ハム心臓病.JPG
心臓の拡大と、肺水腫が認められる

四肢浮腫.JPG
全身のうっ血による、四肢の浮腫

その結果、低酸素になり呼吸困難をおこしてしまいます。突然死することさえあります。

注意深い観察と、定期的な検診を受けることが最も重要ですが、

もし突然呼吸が異常を示すことがあれば、すぐに動物病院に受診し、

酸素下で安静にさせ、呼吸状態を安定化させなければなりません。

一命を取り留めた後は心臓病の継続的な治療が必要となりますが…
posted by 鈴木慎一 at 19:09| 静岡 ☁| Comment(3) | TrackBack(1) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月13日

セキセイインコの腹壁ヘルニア

これまでに小鳥、特にセキセイインコの生殖器疾患について何回かお話しました。


今回はセキセイインコの生殖器疾患にまつわる手術についてお話したいと思います。

この子は3歳女の子のセキセイインコちゃんです。

「卵づまり」(以下、卵塞)で来院しました。

今回を含め2回目の産卵ということでしたが、はじめての産卵も卵塞で処置を受けたようです。

持続発情蝋膜.JPGセキセイ腹壁ヘルニア.JPG

ところが今回は卵塞に加え、持続発情からくると思われる蝋膜(ロウ膜)の褐色化が認められ、

さらにはお腹の筋肉は弛緩し、皮膚はキサントーマ化、さらには腹壁ヘルニアを起こしていました。

※ヘルニアとは臓器が本来の解剖学的位置から逸脱した状態をよびます。

セキセイインコ腹壁ヘルニアX線検査.JPGセキセイインコ消化管造影.JPG

レントゲン検査では若干ではありますが多骨性過骨症(PH)が認められます。

※通常は長骨は皮質骨と海綿骨で形成されるため、レントゲン検査では骨の周囲が白く、真ん中は黒く写ります。

ヘルニアの治療は外科手術です。

この子は幸い腸管ではなく、腫大した卵管のみの脱出でした。

卵管を摘出し、ヘルニア嚢と伸びきった皮膚を形成し手術を終えました。

卵管摘出.JPG
摘出した卵管

今はとっても元気にしています。


ところでなぜ初回から卵塞を起こしてしまったのでしょうか?

おそらく飼育環境に問題があると思われます。

ケージには鏡付きのブランコに鈴が2個、手乗りである上に、

食事は皮付き餌とたまの野菜のみで、ボレー粉、カトルボーンなどのカルシウム補給、サプリメントの使用はなかったようです。

日光浴もありませんでした。

きっと慢性的な低カルシウム血症を起こしていたのでしょう。

これからはペレットを使用していただけるようです。
posted by 鈴木慎一 at 19:46| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月09日

フクロモモンガの代謝性骨疾患

フクロモモンガは甘いものが大好きなため、果物や昆虫ゼリーを中心として飼育されている家庭では

「代謝性骨疾患」に多く遭遇します。

というのもこれらの食事はカルシウム含量が低いためです。

フクロモモンガ運動失調.JPG

症状は振戦(振るえ)を最も多く経験しています。

痙攣・運動失調などの神経症状、骨軟化症や骨粗鬆症などがみられることが多いのですが、

体重減少、食欲不振など不定愁訴しか見られない場合もあります。

レントゲン検査や血液検査などにより診断します。

治療より何よりも、食事管理が重要です。

カルシウムがしっかりと入ったペレットあるいはサプリメントなどを使用し病気にしないことが賢明です。

posted by 鈴木慎一 at 11:03| 静岡 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月23日

ウサギの避妊手術

このブログをはじめて間もないころに、ウサギさんは高い確率で子宮のガンにかかるというお話をしました。

今回は避妊手術の概要を簡単にご説明します。


@手術前の健康チェック
 少しでも体調に不安があるときは手術を見合わせます。

 麻酔のリスクを判断する上で血液検査を行うこともあります。

A術前の処置
 血管確保・鎮痛剤・抗生剤などの投与

B全身麻酔の導入

ウサギ麻酔導入.JPG

 個々の動物に合わせた鎮静剤の投与を行ったうえで、ガス麻酔による導入に続き、気道確保(気管内挿管)を行います。

 手術中は安全性を確保するため心電図、呼吸数、呼気中麻酔濃度・二酸化炭素濃度、血圧、酸素飽和度などをモニターします。 

C術野(手術部位)の毛刈りと消毒
 可能な限りのきれいな手術を行います。

D手術開始
 皮膚を数cm切開し、卵巣と子宮を摘出します。
 手術時間は10〜15分程度です。

E麻酔からの覚醒
 手術後の食欲不振を防ぐため、すぐにごはんを食べさせます。
 
 食欲や様子確認のため一晩の入院をお勧めしております。入院が不安な方は日帰りもできます。

手術直後.JPG
覚醒後5分以内の様子
 
手術を受けたことなどまったく感じないかのごとく、通常麻酔から覚めた直後から食事をとってくれます。

「ウサギは痛みに弱い」とか「ウサギは手術すると死んじゃう」

とか言った迷信が、なぜ生まれたのかが不思議なくらいです。


いったい誰がそんなことを言い始めたのでしょうか?

もちろん少しでも痛みがないようにお薬で十分に管理しておりますが。


全身麻酔を恐れるあまり、手術を敬遠される方が大変多くいらっしゃいますが若くて健康なうちに行えばより安全に手術を受けることができます。

もちろんお年をとってからの避妊手術でもけっしてリスクが高いというわけではありません。
posted by 鈴木慎一 at 17:24| 静岡 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月06日

ウサギの飼い主様必見!!「毛球症って病気あるの?」

この病気は以前より知られていますが、本当にこんな病気があるのでしょうか?

ウサギさんは嘔吐ができないことはご存知だと思います。

※ウサギは食道の解剖学的構造からが基本的に嘔吐が不可能です。
昨年のエキゾチックペット研究会で東京大学のグループがウサギの嘔吐を発表していることは例外とします。

嘔吐とは生態防御反応のひとつで、有害物質を誤って口にしてしまったときに、

それを吐き出すために授かった反応です。もちろん病的な理由から嘔吐することもあります。

グルーミングをする動物が嘔吐をすることができなければ、飲み込んでしまった被毛はどこに行くのでしょうか?

当然腸を通り、最終的には便と一緒に排泄されるはずです


ではなぜ「毛球症」が起こるのか考えたことはあるでしょうか?

ウサギさんは自然界ではとても低カロリーで、繊維質の多い草を食べて生活しています。

一方、人の手で育てられているウサギさんは高カロリーで、低繊維のペレットを主体に与えられていることが多いのです。

繊維は正常な消化管運動には不可欠です。

実はウサギの毛球症とは・・・

この繊維が慢性的に不足していたり、あるいはなんらかのストレス、原因により消化管運動が低下するためにおこるのです。

「毛球症」ではなく、「消化管運動機能低下症」がもっとも正しい病名と考えられます。

したがっていろいろな方面から消化管運動の改善を行ってあげることにより、ほとんどのウサギさんは治ってしまいます。

私自身、この手の病気で手術が必要になる子ほとんどいないと考えております。


全身麻酔下で手術をすることにより、さらに消化管運動機能の低下が起こります。

毛球症の手術後に命を落とすことが多いのはこのためなのです。

もちろん一部の例外で緊急手術が必要な例がありますが、それは極めてまれなことです。

posted by 鈴木慎一 at 19:56| 静岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月05日

リクガメの立ち上げ

カメ、トカゲなどの爬虫類を購入後、元気だけどごはんを食べないとか

ショップでは元気・食欲ともにありと聞いていたのに、

家に来たら元気も食欲もないという方いらっしゃいませんか?

特にこういったトラブルを起こしやすいのは、ネットで購入し宅配便で送られてくるケースに多く見られます。

実際ショップでは本当に元気もあり、食欲もあり太鼓判を押して送った個体でさえも

トラブルを起こす可能性は十分にあります。

再度ショップに問い合わせて、飼育環境や餌をまったく同じにしてみても数週間食べない

というケースもあります。

これは低温環境への暴露、振動による輸送中のストレスあるいは

輸送のために数日前から絶食ことなどがもっとも大きな原因として考えられます。


もちろん十分なケアをしてあげれば、多くの場合元気を取り戻してくれますが

飼育初心者の方の大半が立ち上げを失敗します。どころか死に至るケースが少なくありません。

リクガメ眼瞼腫脹.JPG

この子はホルスフィールドリクガメ、元気はあるが購入後3週間食餌をまったく食べない、

眼も腫れているとのことで来院しました。

生活環境の整備と補液、駆虫などにより全身状態の改善をはかった後に、

強制給餌を開始し、2日後に無事自ら食餌をとりはじめました。

リクガメの立ち上げ.JPG

爬虫類購入後こうしたトラブルに直面している方、飼育に不安のある方はぜひご相談ください。
posted by 鈴木慎一 at 10:40| 静岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月28日

鳥類の血液検査

鳥さんにも一般の動物病院(鳥類専門医でなくとも)で受けることが可能な検査がいくつかあります。

身体検査、そのう液検査、糞便検査、尿検査、血液検査(CBC、生化学検査)、ウイルス検査、

DNA検査、エックス線(レントゲン)検査、超音波エコー検査をはじめ

ワンちゃん・ネコちゃんが受けることができる検査は基本的にすべて行うことが可能です。

今回はそのうちの1つである血液検査についてご説明いたします。

血液検査は言うまでも無く多くの情報を我々獣医師、

そして何より飼い主様にとって有益な情報を与えてくれます。


通常小型鳥類の採血は右の頸静脈より行います。

鳥さんは左の頸静脈が極めて細く採血に適しておりません。

細い針を用いて、ほんの数秒でできてしまいます。

検査項目は犬・猫と同様ですが、ALTやBUN(尿素窒素)など

一部の項目は鳥さんでは検査価値のないものもあります。

反対にUA(尿酸)など(動物病院では)鳥類・爬虫類でしか測定しない項目もあります。

当たり前ですが、血液検査でしか知ることのできない情報が数多く存在します。

数10gの小鳥であっても血液検査は可能です。

「血液検査は動物にとってストレスじゃないかしら…」

「なんだかかわいそうな気がするなぁ…」

とおっしゃる方がたくさんいらっしゃることも事実です。多少のストレスがかかることも事実です。

もちろん大前提として、血液検査が必要だと判断した場合、

血液検査に十分耐えうると判断した場合に行うことは言うまでもありません。


無理は決していたしませんので、ご安心ください。


ご理解いただきたいのは…

血液検査をすることが目的ではありません。

鳥さんの病気の詳細な原因を探り、治療する、

今よりも元気にすることが目的です。
posted by 鈴木慎一 at 19:27| 静岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月24日

リクガメの鼻水

この季節、鼻水・クシャミに食欲不振といろいろ悩まされる時期ですね。

ケヅメ鼻炎.JPG

リクガメの鼻水はいろいろな原因が関与しています。

この時期は急激な変化や低温・乾燥が主に関与していると考えられますが、

夏場でも保温球などを多用する場合、極度の乾燥により呼吸器の免疫が低下することがあります。

はじめは水様で、次第に粘性、そして細菌などの二次感染により膿性へと進行してしまうこともあります。

もちろん環境を改善することにより多くの場合は対処可能ですが、

中には獣医学的な介入がなければ治らないどころか、肺炎へと進行してしまうことさえあります。

とにかく原因を見つけ出し改善しなければ、せっかく治ったとしてもまた再発する可能性があります。
posted by 鈴木慎一 at 14:43| 静岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | エキゾチック動物医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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